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ね、君が行きたいところへ行こうよ

ね、君が行きたいところへ行こうよ

たんぽぽの風にのって オリジナル物語

探しているものは、

深い深い森の中。





それは、

あまりにも、弱くて儚くて、


一緒に生きていくのが、つらくなったから・・・





小さなタンポポの綿毛を吹き飛ばすとき、


一緒に、風に飛ばしたんだ。








いらないものって、

思ってた。




でもね、

探しに行かなければいけない。

何かが欠けたままの自分でつかめるほど、

夢は甘くないもの。






でもね、深い森の中・・・

いつ見つかるかもわからなくて。









「ここからは、

一人で行くよ。



キミが大事だから、

もしかしたら、

二度と出られないかもしれない。




今の自分では、いられなくなるかもしれない。」





そんな手紙を書きかけて、

ふと気づいた。



それは、僕の気持ち。

キミを巻き込んで、

自分のせいで、悲しい顔を見なければならなくなるかもしれない、

それが悲しいのも、僕の気持ち。









キミの気持ちは、

キミのものなのにね。






僕の、

ホントの気持ちを、

考えてみた。



自分勝手で、ワガママで、

キミに嫌われてしまうかもしれない、

僕の素直な気持ち。









「キミと一緒にいたい」








ふと、

深い森に咲いてると思った、

あのタンポポの綿毛が、


キミの髪に、ふんわり飛んで、

そっと止まった。






探していたものは、

ホントの気持ち。





ごまかして、

なくしてしまったと思ってた自分は、


ちゃんと、

そばにあったんだ。


僕の大事な、

キミと一緒に・・・。






それは、

あまりにも、弱くて儚くて、


一緒に生きていくのが、つらくなって、

大嫌いだった、ホントの自分。





いつの間に、

キミが抱きしめてくれていたんだね。






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